
失敗しないためのマーケティング手法! ~まず初めはインタビュー調査?!~
マーケティングの戦略や施策を検討するにあたって、きちんと成果につながる方策を打ち出し、失敗を避けたいと考えている方は多いでしょう。マーケティングに失敗しないためには、顧客の心理を深く理解しておくことが重要です。
今回は、顧客のインサイトを把握し、主体的に創造していくための手法について解説します。効果的な調査手法として、インタビュー調査に要する費用例も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
事業のターゲット顧客をしっかりと把握する重要性
結論からお伝えすると、マーケティングの失敗を回避するには事業のターゲット顧客を深く理解し、抱えている欲求や課題を的確に把握することが大切です。はじめに、事業のターゲット顧客をしっかりと把握する重要性について確認しておきましょう。
「誰に」向けて売るのか
マーケティングの基本は「誰に」「何を」「どのように」訴求するか、という点に尽きます。このうち「誰に」の部分が明確になっていなければ、訴求するべき対象者が定まりません。
商品やサービスの訴求は、誰かに手紙を書くのとよく似ています。手紙を書く行為の前提にあるのは、「誰に」宛てて書くのか、という点です。不特定多数の人に向けて、誰が読むのか不明な手紙を書くことは通常あり得ません。読む相手に応じて、手紙に込めるメッセージも自ずと変わるからです。マーケティングにおいても、戦略や施策が「誰に」向けたものであるのかを明確に定めておく必要があります。
顧客のペルソナ像を確立する
マーケティングでは、しばしばターゲットの特定が重要といわれます。ただし、「30代男性」のような裾野の広いターゲティングは有効とはいえません。30代男性とは具体的にどのような人物なのか、実在する明確な個人像を設定しておくことが大切です。
前述の手紙の例でいえば、「30代男性」に向けて手紙を書くことはありません。具体的な「〇〇さん」という読み手を想定しているからこそ、書く内容や表現が定まるはずです。マーケティングにおいても、「誰に」向けた戦略・施策であるのかを明確にするために顧客のペルソナ像を確立しておくべきでしょう。
顧客の心理を理解するポイント
顧客の心理を理解する上で重要なポイントとして「インサイト」と「POME」が挙げられます。両者の基本的な考え方を整理しておきましょう。
消費者のインサイト
インサイトとは、ニーズをさらに深掘りした利用実態や意思決定プロセス、感情などを包括する内面のことです。たとえば、カフェの来店客はコーヒーを味わいたいと考えている人だけとは限りません。落ち着いた空間で読書をしたい人や、待ち合わせの時刻まで時間を潰したいという人もいるでしょう。こうした消費者のインサイトを深掘りしていくと、「美味しいコーヒーさえ提供していれば成功する」という発想には至らないはずです。
消費者の表層的なニーズの把握に留まらず、深層心理にある真のインサイトを深掘りしていくことが重要です。顧客心理の理解は、消費者インサイトの明確化とも言い換えられます。
POME(Point Of Market Entry)
POMEとは、あるカテゴリーの入り口にあたる瞬間のことです。初めてスーツを購入したきっかけが成人式や就職活動だったという人が少なくないように、ある商品やサービスを購入・利用する際には必ず何らかのきっかけがあります。前述の消費者インサイトは、POMEへと消費者を導く重要な要素のひとつです。
POMEを意識したマーケティング手法の好例として、「ペット保険」のケースを考えてみましょう。ペットを飼い始めたばかりの人は、これから必要になるものや備えておくべきことを知りたい・把握しておきたいと考えている可能性が高いと考えられます。このときタイミングよくペット保険の案内が届き、「初月の保険料は無料」「1カ月分のフードやお手入れグッズ付き」という情報に触れたら、多くの人は加入を検討するのではないでしょうか。
ペット保険への加入は、ペットを飼い始めたことがきっかけとなって顕在化したニーズです。このように、顧客がどのような状況にあり、何を求めているのかを把握することがマーケティングを成功させる上で重要なポイントといえます。
インサイトやPOMEは「創造」するもの
ここまでに紹介したインサイトとPOMEは、いずれも顧客の心理を理解する上で欠かせない要素です。一方で、インサイトやPOMEを自然発生的なものを捉えるのではなく、自社がイニシアチブを取って働きかけ、「創造」していく必要があります。
先ほどのペット保険の例でいえば、たまたまペットを飼い始めた人が加入した、と捉えるのではなく、「ペット保険を必要とするのはどのような状況にある消費者か?」をイメージし、ピンポイントで訴求する施策を講じたからこそ、新規加入という行動を促せたのです。
実際、消費者自身もインサイトやPOMEに気づいていないケースが多く見られます。潜在的なニーズや欲求をつかみ、適切なタイミングで訴求するからこそ、購買行動を効果的に促せるのです。
インサイトを創造する手法
では、インサイトの創造はどのような手順で進めていけばよいのでしょうか。基本的な手順について解説します。
1. 社内でPOMEの仮説出しを行う
はじめに既存顧客の傾向を分析し、POMEを洗い出します。いわゆる「お得意様」にあたるロイヤルユーザーが数多くいるようなら、彼ら・彼女らが最初に購入したきっかけを調査することでPOMEを把握しやすくなるでしょう。
ただし、ある商材に対してPOMEはひとつだけとは限りません。多様なきっかけが商品の初回購入へとつながっている可能性があります。社内でPOMEの仮説出しを行い、さまざまなケースを想定しておくことが大切です。
2. インタビュー調査を実施する
次に、仮説を検証するための調査を実施します。調査にはアンケートを活用する方法もありますが、より深く消費者インサイトを聴取するにはインタビュー調査がおすすめです。とくに1対1で実施するデプスインタビューと呼ばれる手法であれば、消費者一人ひとりがどのような状況で商品・サービスを利用しているか、その結果としてどういった感想を抱いたのか、詳細に聴取できます。
インタビュー調査の基本は、「いつ」「どこで」「誰と」使い始めたのかを聴取することです。基本的には仮説を踏まえて調査を進めますが、事前に立てた仮説はあくまでも仮説に過ぎません。誘導的な質問にならないようオープンクエスチョンで問いかけ、調査対象者の声にじっくりと耳を傾けることが大切です。
3. 調査を踏まえてPOMEをリストアップする
インタビュー調査の結果を元に、聴取した意見・感想と事前に立てた仮説を照らし合わせます。両者の間で重複しているものをピックアップしていくことで、具体的なPOMEを抽出できるでしょう。
前述のとおり、POMEはひとつだけとは限りません。複数のPOMEが存在することを前提に、検証を進めていくのがポイントです。ここでリストアップされたPOMEが、施策設計の土台となります。
4. 定量調査にもとづきPOMEの優先順位を決める
リストアップしたPOMEの中には、よくあるケースとそうでないケースがあるはずです。定量調査の結果を元にPOMEの優先順位を付け、頻度がより高いと思われる状況に注力したマーケティング施策を講じる必要があります。
優先順位が高いと判断されたPOMEについて、「なぜそのPOMEが存在するのか」をじっくりと考えることが大切です。インタビュー調査を通じて得られた回答は、あくまでも「このような状況が存在する」という事実に過ぎません。POMEの背景にあるWHYの部分(=顧客のインサイト)を深掘りして言語化するのは、調査を実施する企業側が取り組むべきプロセスです。
インタビュー調査に要する費用
インタビュー調査を実施するにあたって、費用が気になっている方も多いことでしょう。ここでは、オンライン形式でデプスインタビューが可能なサービス「リサーチDEMO!」の料金プランを紹介します。
基本プラン
単発プラン
- 30分/回:4万円/月〜
- 60分/回:6万円/月〜
まとめ買いプラン(5回セット)
- 30分/回:3万円/月〜
- 60分/回:4.5万円/月〜
定額使い放題プラン
- 40万円/月〜+モニター報酬
オプション機能
調査目的や必要なデータに応じて各種オプション機能の活用も可能です。
| オプション | 30分インタビュー | 60分インタビュー | |------------|------------------|------------------| | 調査票設計 | 5万円/回 | 10万円/回 | | モデレーター手配 | 3万円/回 | 6万円/回 | | インタビュー録画 | 1万円/回 | 1万円/回 | | レポーティング | 30万円/回 | 30万円/回 |
オンライン形式のインタビューであれば、会場を手配する必要がなくコストを抑えて調査を実施できます。消費者インサイトを深く知りたい事業者様は、オンライン形式でのインタビュー実施を検討してみてはいかがでしょうか。
インタビュー調査には「リサーチDEMO!」がおすすめ
失敗しないマーケティングのポイントは、顧客の心理を深く理解することです。そのためには、誰に・何を・どのように売るのかを適切に判断していく必要があります。正しい手法をとらなければ、市場が縮小しつつある日本国内で生き残っていくのは困難といわざるを得ません。インタビュー調査を通じて消費者のインサイトやPOMEを把握しつつ、調査から判明した状況を主体的に創造していくスタンスで臨むことが求められます。
インタビュー調査を実施する際には、ぜひ「リサーチDEMO!」をご活用ください。50万人規模のモニターパネルから質の高い対象者をスクリーニングできることに加え、対象者の絞り込みや日程調整、実際のインタビューまでシステム上で完結できます。オンライン形式のため、最短で翌日には消費者インタビューを実施可能です。インタビューを通じて顧客の声に耳を傾け、消費者の視点に立ったマーケティング施策を講じていきましょう。