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値上げしても顧客が離れない方法!?~鍵を握るのはデプスインタビュー!~

近年は物価高の傾向が続いていることから、自社の商品やサービスを値上げしたいと考えている事業者様は多いことでしょう。一方で、値上げによって危惧されるのが顧客離れです。値上げに踏み切っても顧客から選ばれ続けるには、どのような方策を講じればよいのでしょうか。

この記事では、値上げをしても顧客が離れない方法についてわかりやすく解説しています。具体的な成功事例も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

商品やサービスの売れ行きが悪いときにありがちな原因

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そもそも、商品やサービスの売れ行きが芳しくない状況はなぜ発生するのでしょうか。想定される主な原因について解説します。

顧客分析に基づく理解が不足している

まず考えられるのは、顧客理解が十分に深まっていないことです。値付けが商品の売れ行きに大きく影響するのは間違いありません。そのため、PSM分析など適正価格を導き出すための手法がしばしば活用されています。

ただし、商品・サービスが売れない原因は価格設定だけではありません。大前提として顧客理解が不十分な状態のままでは、売れ行きが好転する可能性は低いといわざるを得ないでしょう。顧客が本当に求めている価値や購買行動の根底にある要求を深く理解することが、売上改善に向けた第一歩といえます。

バリューベースプライシングができていない

2つめの原因は、バリューベースプライシングができていないことです。バリューベースプライシングとは、顧客が感じる価値に基づいて価格を設定することを指します。お得だと感じる価格設定や付加価値価格を適切に想定できていなければ、顧客が「高い」と感じるのは避けられません。

バリューベースプライシングの根底にあるのは、やはり顧客層に対する深い理解に尽きます。自社の商品・サービスが満たせる顧客のニーズは何か、顧客に選ばれている理由はどこにあるのか、といった点を顧客の視点に立って深く追究することが重要です。

インサイトが未創造

顧客理解を深めるといっても、単にニーズを探るだけでは不十分です。顧客の深層心理を深く分析し、真のニーズをくみ取る必要があります。別の言い方をするなら、顧客のインサイトを捉えた上で、自社の商品・サービスを通じて充足できる欲求を明確にしておくことが重要です。

インサイトが未創造の状態でマーケティングやプロモーションを推進した場合、顧客の表層的なニーズに応える段階に留まりがちです。顧客自身もインサイトを捉えられていなかったり、言語化できていなかったりするケースが少なくありません。表層的な購買行動やデータのみを頼りに判断するのではなく、顧客インサイトを深掘りしていく必要があります。

そもそも、値上げをして成功はするのか

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根本的な疑問として、そもそも値上げをしても成功できるのか半信半疑の方もいるでしょう。もしそのように感じるとしたら、価格設定の捉え方を今一度見直してみる必要があります。

単価は売上を構成する直接的な変数

企業にもたらされる売上を極限まで単純化すると、次のように表せます。

売上 = 購入者数 × 購入回数 × 単価

上記のうち、売上伸長を実現するために直接操作できる変数は「単価」のみです。集客を通じて購入者数を増やしたり、顧客接点の改善を図ることでリピーターを創出したりすることによっても、売上を伸ばせます。しかし、日本国内の人口が減少に転じていること、各カテゴリーにおける消費者の利用回数はおおむね固定されていることを踏まえると、いずれも難易度としては高いといわざるを得ません。今すぐに売上伸長を実現できる方策は「単価の引き上げ」に限られるでしょう。

値上げ=便益上げであるべき

価格の本質は、便益を獲得するために支払うべき対価といえます。価格以上の便益を得られることがわかっていれば、消費者は「高い」とは感じません。反対に、期待される便益を上回る価格にしてしまうとその商品・サービスは売れなくなります。

したがって、値上げに踏み切る際は単に価格を現状よりも高くするのではなく、「便益上げ」が伴っていることが重要です。従来は得られなかった付加価値や充足感が手に入れば、顧客が不満を抱くことはまずないでしょう。値上げをするからには自社が提供できる本質的な価値や体験を特定し、何が顧客の心を捉えているのかを把握しておく必要があります。

値上げが顧客離れにつながらなかった成功事例

値上げに踏み切ったにもかかわらず、顧客離れを引き起こさなかった事例を紹介します。

3〜5年に一度のスパンで値上げをしてきた東京ディズニーランド

好循環を生み出す値上げに成功した好事例は、東京ディズニーランドです。2001年以降、同パークは3〜5年に一度のスパンで値上げを行い、20年あまりの間にチケットの価格は2001年比でおよそ2倍に達しました。諸外国並みの物価上昇を反映させることに成功した好例といえます。

ディズニーランドのチケットが高くなったにもかかわらず、現在もパーク内は連日大盛況が続いています。「値上げが顧客離れを導く」というロジックを、見事に覆しているのです。

成功要因1:値上げのタイミング

ディズニーランドが値上げに成功した要因として、値上げを実施したタイミングが挙げられます。3〜5年ごとの値上げは、大規模かつ話題性のあるアトラクションの新設や設備拡充のタイミングとリンクしているのです。同パークのファンは「新しいアトラクションをいち早く体験したい」「前回とは違ったパークを実体験してみたい」といった欲求に駆られます。この欲求を満たせることがわかっているため、顧客はチケットの価格を「高すぎる」とは感じないでしょう。

成功要因2:唯一無二の独占性

ディズニーのIPを利用できる唯一無二のテーマパークという独占性も、値上げに成功した重要な要因のひとつです。他では得られない体験や感動を味わえるのであれば、顧客としてはディズニーランドに行く以外に選択肢がありません。代替不可能な価値を提供していることが、値上げによる影響を受けにくい要因と考えられます。

前述の「便益」を当てはめると、「ディズニーの世界観にどっぷり浸れる」ことが、ディズニーランドが提供している便益です。この体験価値を損なうことなく年々改良を重ねてきたことが、来場者数が減らない大きな理由といえます。

どうすれば便益の向上を図れるのか

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では、どうすれば便益の向上を図りつつ値上げを実行できるのでしょうか。最もシンプルかつ基本的な方策は、「自社の商品が磨くべき価値は何か」という本質に立ち返ることです。そのためには現状以上に顧客理解を深め、顧客のインサイトを創造していく必要があります。

顧客の深層心理をつかむ調査方法としては、デプスインタビューが最もおすすめです。1対1で顧客とじっくり対話することで、アンケート調査やグループインタビューでは得られない顧客の本音を引き出せます。売れ行きが芳しくない原因を特定したい事業者様や、値上げと便益上げを両立させたい事業者様は、デプスインタビューの実施を検討してみてはいかがでしょうか。

定性調査には「リサーチDEMO!」がおすすめ

たとえ値上げをしても、顧客が望む便益を的確に提供できていれば顧客離れにはつながりません。顧客のより深いニーズをつかみ、求める便益を提供していくことで、値上げ戦略が失敗に終わるリスクを着実に下げられるでしょう。仮に価格を現状のまま維持するとしても、市場が縮小していく日本において顧客理解が不十分なままビジネスを継続していくのは非常にリスクが高いといわざるを得ません。

顧客のインサイトを深掘りするデプスインタビューを実施したい事業者様には、オンラインインタビューを手軽に実施できる「リサーチDEMO!」の活用をおすすめします。50万人規模のモニターパネルから質の高い対象者をスクリーニングできることに加え、対象者の絞り込みや日程調整、実際のインタビューをシステム上で完結できます。デプスインタビューには準備のための期間や費用がかかりがちですが、「リサーチDEMO!」なら1回3万円、最短翌日にオンライン対面形式でのデプスインタビューが可能です。「リサーチDEMO!」を活用して顧客の深層心理を把握し、失敗しない値上げを実現しましょう。


参考サイト