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デプスインタビューを実施している企業ではなぜ売上が上がるのか

デプスインタビューとは、対象者に1対1でヒアリングを行い、意見や感想を掘り下げていく調査手法のことです。デプスインタビューを実施する主な目的は「顧客理解」を深めることにあります。

今回は、デプスインタビューを実施している企業ではなぜ売上が上がるのか、売上が伸び悩む主な原因ともに解説します。デプスインタビューを活用したマーケティング手法とあわせて見ていきましょう。

そもそも売上が伸び悩む理由とは

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売上が伸び悩むもっとも大きな原因は、顧客の声を聞けていないことにあります。顧客が自社の商品やサービスを実際に購入・利用したことで、どのような感想を抱いているのか、実際のところどう感じているのかを深掘りできていない可能性が高いでしょう。

当社が実施した調査では、オンラインインタビュー調査への参加経験者のうち、本音や話しやすいと感じる手法は「自分だけでインタビュー調査を受ける形式(デプスインタビュー)」と回答した人が**全体の85%**にのぼりました。調査対象者が自分の発言について見当違いではないかと気にしたり、考えをまとめてから話さなくてはならないと感じたりすることのないよう、本音が話しやすい環境で調査するにはデプスインタビューが最適な手法といえます。

デプスインタビューを通じて消費者インサイトを捉えた事例3選

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デプスインタビューによって、消費者インサイトを捉えることに成功した3つの事例を紹介します。

【ウェアラブルデバイス】ニーズの核心と不満点の洗い出しに成功

スマートウォッチの利用実態に関する調査では、デプスインタビューを通じてユーザーニーズの核心と不満点の洗い出しに成功しました。具体的には、スマートウォッチ購入前にユーザーが抱いていた期待と、実際に利用した感想を照らし合わせたところ、特定の用途を想定していたユーザーは「他にも多くの機能があるので使い続けたい」と回答したのに対して、購入前の期待値が高かったユーザーほど「便利だが、なくても問題ない」と回答する傾向が見られました。実際にはどのユーザーにも同じ機能が提供されているにもかかわらず、事前に抱いていたイメージや期待がユーザー体験を大きく左右することがわかったのです。

【メイクアップ商品】事前の印象と使用感のギャップを洗い出せた

ある化粧品メーカーでは、商品コンセプトから抱くイメージと商品試用後の感想のギャップを洗い出すことに成功しました。コンセプトを聞いた時点では「使いにくいのではないか」「活用するイメージが湧かない」といった回答が寄せられました。そこでコンセプトにユーザーの声を取り入れつつ商品の改善を図ったところ、「自分に合っていると思う」「使いやすそうだと感じる」といったポジティブな感想を得られました。デプスインタビューを通じて自社商品が消費者にどう映るのかを分析し、あるべき姿とのギャップを明確にしたことによって効果的な改善につながった好例です。

【社内ツール】利用を阻害する本当の原因が判明

ある企業では、社内向けコミュニケーションツールの利用率が低迷していました。そこで社員一人ひとりにデプスインタビューを実施したところ、事前に実施したアンケート調査との温度感の違いが浮き彫りになったのです。事前に実施したアンケートでは「業務が多忙で時間が取れない」といった回答が目立っていました。一方、ツールを使わなくなったときの状況を1対1でヒアリングしたところ、特定の利用条件に起因するツールの制約や、ツールを使い続けることへのモチベーション低下が背景にあることがわかったのです。アンケート調査では、こうした状況をまとめて「時間がない」と表現していたと考えられます。ユーザーの深層心理をあぶり出す手法として、デプスインタビューが有効であることを示唆している事例です。

マーケティング戦略の要点

デプスインタビューをマーケティング戦略に組み込むにあたって、どのような点を意識しておく必要があるのでしょうか。マーケティング戦略上の要点について解説します。

1. 消費者インサイトの把握

マーケティング戦略のスタート地点は、消費者のインサイト(意識構造や思惑、深層心理)を把握することにあります。マーケティング戦略には多くの手法がありますが、どのような戦略を講じる際にも消費者インサイトが起点になっていなければ本末転倒です。消費者インサイトを把握するための有効な手段として、デプスインタビューの活用をおすすめします。

デプスインタビューを実施する際の基本的な手順は次の5段階です。

| 手順 | やるべきこと | |------|-------------| | 1. 調査目的の設定 | ・調査を通じて達成すべき目標を明確にする<br>・目標達成に向けて解決すべき課題を洗い出す | | 2. 調査仕様の決定 | ・調査を実施する場所、時間、記録方法、インタビュアーを決める<br>・必要な質問項目を洗い出し、優先順位を付けて質問票に落とし込む | | 3. 調査対象の募集 | ・調査対象として望ましい人物の特徴をまとめる<br>・調査に必要な人数を集める | | 4. デプスインタビュー実施 | ・質問表に沿ってインタビューを実施する | | 5. 回答の分析と施策への反映 | ・それぞれの回答の傾向や特徴を抽出する<br>・施策に反映すべきポイントを特定する |

デプスインタビューを実施するにあたって、調査対象者は質問に対して的確に答えられるか少なからず不安を抱えています。緊張をほぐすためのカジュアルな質問から入り、対象者の反応が良い質問を見極めて話題を深掘りしていくことが大切です。はじめから核心的な質問を投げかけてしまい、当たり障りのない回答しか得られないといった状況に陥ることのないよう注意してください。

また、回答に影響を与えかねない質問の仕方を避ける工夫も求められます。回答を予測し、仮説を立てておくことは重要ですが、デプスインタビューの場ではあくまでも調査対象者の回答ありきで進めるのがポイントです。事前に予想した回答に合致するよう誘導したり、対象者の反応を先入観にもとづいて判断したりすることのないよう注意しましょう。

2. 現状分析とギャップの確認

デプスインタビューを通じて得た消費者の声は、自社商品・サービスが現状どのように受容されているのかを示しています。自社が掲げている商品コンセプトや想定していたベネフィットと、消費者が実際に抱いているイメージとの間にはギャップが存在するケースが少なくありません。まずはデプスインタビューの結果をもとに現状分析を進め、その上で消費者にとってあるべき姿とのギャップを可視化しましょう。

現状分析に取り組む際には、先入観や願望が混在することのないよう注意が必要です。調査対象者の回答を自社の解釈でアレンジしたり、都合よく切り取ったりせず、消費者の声にもとづいて分析を進める必要があります。

3. ギャップを埋めるための施策を決定

自社商品・サービスの現状とあるべき姿とのギャップが明確になったら、そのギャップを埋めるための施策を決めていきます。具体的には、ターゲットに対して「何を」「どのように」「どのタイミングで」伝えるべきかを検討し、その施策を実行するための手段を決定しましょう。

マーケティング施策を検討する際には、ターゲットとの親和性を十分に考慮しなくてはなりません。ターゲットの年齢層やライフスタイル、価値観に即したペルソナを設定し、特定の一人に届くよう施策を設計するのがポイントです。

デプスインタビューを活用したマーケティング実践ガイド

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デプスインタビューをマーケティング戦略に組み込む際の基本的な手順は次のとおりです。

  1. 仮説設定
  2. 調査仕様の決定
  3. 調査対象の募集
  4. インタビュー実施
  5. 結果分析
  6. 現状分析
  7. 施策の決定

上記のうち、2〜4がデプスインタビューのプロセスに該当します。デプスインタビューに先立って、自社の商品・サービスが抱えている課題について仮説を設定しておくことが重要です。その仮説を検証するための手段がデプスインタビューと捉えてください。

仮説設定から施策決定までの全体像を捉えることで、デプスインタビューを実施する意義や目的が理解しやすくなります。インタビューを単独で捉えるのではなく、マーケティング戦略の一環として位置づけ、その効果を最大限に引き出しましょう。

デプスインタビューには「リサーチDEMO!」がおすすめ

デプスインタビューは表層的な感想やイメージではなく、消費者インサイトを深掘りするための調査手法です。市場が縮小傾向にある日本国内において、顧客を深く理解することなく生き残っていくのは困難といわざるを得ません。顧客のより深いニーズを捉え、本質的なニーズに応えていくことによって、マーケティング戦略上の失敗を避けられる可能性は確実に高まるでしょう。

デプスインタビューをリーズナブルかつスピーディーに行いたい事業者様には「リサーチDEMO!」の活用をおすすめします。リサーチDEMO!は、1回3万円、最短翌日に消費者インタビューが可能なデプスインタビューサービスです。50万人規模のモニターパネルから質の高い対象者をスクリーニングし、オンライン対面形式でのデプスインタビューを行えます。対象者の絞り込みや日程調整、実際のインタビューに至るまで、すべてのプロセスはシステム上で完結するため、会場の確保なども不要です。「リサーチDEMO!」を活用して消費者の深いニーズを捉えることで、ぜひマーケティング戦略の成功確度を高めてください。


参考サイト