もっとお客様の期待に応えることができる商品開発をしたいと感じた
・リサーチDEMO!を検討された背景を教えてください。
深川様:
弊社は、1980年の創業以来ずっと敏感肌研究をしてきており、この領域における研究力やプロダクトについては自信を持っています。だからこそ、自信を持った商品を開発すればお客様にもご満足いただけると思ってきました。しかし、化粧品業界は参入障壁が低く、コモディティ化が進んでいることや薬機法で決められた範囲でしか訴求ができないということもあり、良いモノを開発すればよいという考え方では難しくなってきています。
そういった環境の中、私は2019年にマーケティング部門に異動になったわけですが、どうすればもっとお客様の期待に応える商品開発ができるのか…と悩み、とにかくマーケティング関連で活躍されている方の情報を見てみようといろいろ探していました。そんなときに、株式会社MDの代表 石井さんのセミナーやnote、YouTubeなどを見つけ、自分がしなければいけないことは、実際にお客様の生の声を聞くことだということに気づかされたんです。
深川様がご覧になった株式会社MD第業 石井のnote:
【1時間で分かる】P&G流マーケティングの教科書
https://note.com/141ishii/n/na578fec5ef84
石井賢介 MDマーケティング予備校:
https://www.youtube.com/channel/UCF_r2tUc-yODM6eUOTPSk7Q
石井登壇の過去セミナーアーカイブはこちら:
・年間で何人のお客様と話してきたか、を反省
深川様:
石井さんのYouTubeやnoteを見て、P&G時代に年間200人以上にインタビューしたという話を聞いたときは、衝撃を受けました。当時の私は、市場ボリュームを見たり、ネット上の口コミを見たり、といったデスクリサーチが主だったことから、これだけ多くのお客様にインタビューしているからこそ、通常だと見つけられないようなお客様のインサイトが見つかるんだなと。
本当の意味での顧客理解をするとしたら、沢山のお客様の声を聞いて、そこを中心に活動していくのが大事なのだと深く反省しましたし、同時に自分もそれをやりたい!と思ったんです。
余談ですが、「P&G流のマーケティングの教科書」などはまとまっていてとても理解しやすく、本部内だけでなく、他組織のメンバーにもぜひ見てください、と発信したり、内容を説明したりもしていました。
「お客様の生の声」を判断軸に進める組織へ
・インタビューし放題の定額プランをどのように活用されているのですか?
深川様:
活用の仕方は大きく2つあり、ひとつ目は定量調査ではよくわからない顧客の気持ちの部分をとりあえず探ってみよう、という形での活用です。
新商品開発などの初期段階で、まだ顧客のインサイトやニーズがあまり想像しきれていないというときに、まずは実際のお客様と会話をしてみて、何かヒントを得られないか…と気軽な気持ちで活用させてもらっています。
もしかすると、顧客インサイトを見つけるための最短ルートではないのかもしれませんが、まだ私自身を含めデプスインタビューに不慣れなメンバーばかりなので、第一ステップとしてはいいのかなと思っています。
また、1回あたり、謝礼6,000円(※1) + で何人でも気軽にインタビューできる(※2)というのも大きく、不慣れかもしれないけどやってみよう!となりやすいのかなと思います。
※1: 60分インタビューの場合
※2: 定額使い放題プランをご契約の場合
もうひとつの活用の仕方としては、まだそこまで機会は多くないですが、商品コンセプトのブラッシュアップとして活用させていただくことがあります。
定量調査にかけるコンセプトをさらにブラッシュアップさせるのに、実際にお客様からのフィードバックを得て、調整をしたりしています。
どちらの活用方法も、まだ十分活用しきれていないかもしれませんが、ここで発見した顧客ニーズを形にした企画が生まれてきていますので、それは導入の成果なのかなと思っています。
活用のポイントは「とにかくお客様に聞いてみよう」
案件の進め方にも変化が出てきたとのことですが、具体的に教えてください。
深川様:
元々、弊社の商品開発は、こだわりをもって進めていく過程で、時にお客様ニーズの視点から離れてしまうことがあったので、それをどうにか変えていきたい、という話が出ていた中で、自分が商品開発スキームの見直しを行うメンバーとして携わることとなりました。
そのスキームでは、石井さんから教わったことなども踏まえ、これまでよりも顧客を中心とした商品作りができるように、顧客起点で考えられているのかを問う項目を用意し、承認ルートも新たなものに変えています。
その顧客起点で考える上で大事なのが、繰り返しにはなりますが、実際にお客様の声を聞くことだと思っていて、そこにリサーチDEMO!がうまくはまっています。まだ全員が活用しきれているわけではないですが、徐々に「とにかくお客様に聞いてみよう」となっているメンバーが増えてきているのは確かなので、組織全体としてデプスインタビューが顧客理解のための一つの大事な手段であるという認識は高まってきているのかなと思っています。
・活用される中で重視していることは何ですか?
深川様:
「顧客像をどれだけイメージしきれるのか」ということですね。
「実際にユーザーがどんな表情・仕草で、どんなワードを選んで、なんて言っているのか」といった情報を通じて、いかに定量調査では見えなかったユーザーの裏の気持ちを表出化することができるのかというのを重視しています。自分では見つけられなかったとしても、上司や同僚から、「ユーザーは何て言ってたの?」と問われる中で、顧客の気持ちを発見することもあります。
既存商品のプロモーションのコミュニケーションを大きく変換させるきっかけになったこともありました。
事業担当者だからこそお客様のイメージを持つための時間を
・今後の取り組みについて教えてください。
深川様:
新たな商品開発やマーケティング戦略を構築しようにも、顧客イメージがあまり湧いてこないというような初期段階では、ライトに、そして、クイックに顧客の声を聞けるということで、今後も本サービスを積極的に活用していきたいと思っています。
既存の手法と本サービスをうまく使い分けながら、それぞれのステップに合わせて利用していけたらと思っています。
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株式会社ファンケル(FANCL CORPORATION)
本社:〒231-8528 横浜市中区山下町89-1
社員数:896名 (2023年3月31日現在 契約社員・パートなどは除く)